日出処の天子 全11巻

作・画:山岸涼子
花とゆめコミックス(文庫あり)
少女漫画だけど、BLにもなるのかな?ネタバレあります。

飛鳥時代の日本で、なんと聖徳太子が主人公です。聖徳太子といえば、誰もが知ってる日本史の初めごろにでてくるスーパースター。遣隋使だの、十人の話が一度に聞き取れただの、伝説にまみれたお方。しかし、この漫画で描かれているのは、摂政になる前「厩戸皇子」と呼ばれていたころのお話です。
厩戸皇子は、ときの権力者である蘇我氏の後継者、蘇我毛人(蝦夷)と惹かれあう・・・驚きの蝦夷x厩戸皇子ですよ!蝦夷って、大化の改新で成敗された入鹿のパパという認識しかなくて、悪徳政治家やってるオッサンのイメージだったので、登場してきた清々しい真面目な蝦夷にはビックリ。厩戸も、お札の肖像画からは思いもつかない妖艶な超絶美形(実際、毛人は美女と間違えた)。どうなってんのじゃ~!しかし、美しくない二人では読んでて楽しくないので、フィクションだし、いいのだ。山岸先生ありがとう!
毛人には腹違いの妹、刀自古がいるのですが、刀自古は兄に恋するあまり、兄の寝所に妻に化けて入り込み妊娠してしまうんですよ~~ひぇ~~。聖徳太子の後継者と言われた、山背大兄王が蝦夷と刀自古の子だったという仰天の設定です。でもって、そんな刀自古と偽装結婚する厩戸。かなわない恋に苦しむ者同士、同病相哀れむなんて可愛いもんじゃない、腹いせに近い二人です。それなりに毛人へダメージを与えたようですが、むなしい。ところが、刀自古ちゃんは厩戸を愛するようになっていきます。刀自古ちゃん、才色兼備なのに。なぜ、振り向いてもらえない人ばかり愛するのか・・・
厩戸は神童と評判の天才で、不思議な能力も持ち、美しい容姿、大王の子という身分。将来は安泰、絶対に幸せでしょと思いたいのに、そうは思わせない孤独がにじみ出ています。八角形の夢殿に閉じこもって孤独と向き合う王子が切ない。ここまで条件がそろっていても、人間て幸せになれないのか・・と私まで悩んでしまいます。普通が一番なのかなあ。終わりごろ、母親似の狂女を娶ったりしてるし、やはり母の愛が得られないというのは、影響が大きいですな。
それにしても、毛人は酷い男です。王子に惹かれて、孤独も理解してるのに、手を差し伸べてあげなかったんですものその上、少し嫉妬してみたり。本当に困ったちゃんですが、二人が手を取り合って生きていく姿も想像できないので、これで正解なのかも。
結末は正直スッキリしませんでしたが、とにかく、一気に読める少女漫画の一つであることは間違いないです。



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