大地 全4巻

作:パール・バック(アメリカ)
訳:新井格ほか
新潮文庫など

ピュリッツァー賞およびノーベル賞受賞作品。私、これらの賞をとった作品は難しくて苦手なことが多いんですが、何故かこの作品は大衆的で読みやすかった。ちなみに、背表紙のあらすじに「王家三代の・・」と書いてあったので、中国の王様3代のお話かと思って読んでたら、中国の「王」さん三代にわたる話でした。名字だったんかい!もう~紛らわしい!と思いましたが、これが面白い。
激動の近代中国を、ある一家を主軸に上手く描いておられます。著者がアメリカ人であることも忘れて、ひたすら読み入ってしまいましたが、実はパール・バックは中国育ちみたいですね。さもありなん。詳しすぎの臨場感ありすぎだもの。登場人物のネーミングもバッチリだし。漢字の意味がわからないと、こうはいかないです。
1代目の王龍は百姓から豪農へ、2代目の王虎(三男)は軍人になり将軍へ、3代目の王淵(王虎の長男)はアメリカの大学に留学して帰国後は教師になります。見事な三部作です。
美しくはないけど堅実な妻を得て、徐々に豊かになる王龍。妻の内助の功を忘れ、商売女を妾にして家の別棟に住まわせます。酷い描写として、いったん妻にあげた真珠を取り上げて妾にやってしまうんですよね~。いや~、ひどい。バチが当たるぜと思いながら読んでたのですが、妾は口ばかり達者で子供を産むこともなく、だんだん太って醜くなり、王龍夫婦より長生きしてました。すげえ。。
龍の妻への態度はちょっと許せんものがありましたが、そんな龍を憎めないのは、知的障害の長女を溺愛しているから。飢え死にしそうなときでも、自分は食べずに長女に与えて、長女が食べる姿を見るだけで幸せになっていたり、長女を蔑んだ妾を怒ってどなりつけて以前ほど愛せなくなったり。思いつめるあまり、「自分が死んだら、あの子のご飯に毒を入れて欲しい」と懇願する龍じいさん。もう、迷惑だなあ、自分でやれよ・・・と思いましたが、頼まれた第三夫人はいい人だったので、そんなことはせずに彼女の世話を最後までしてくれていました。第三夫人が若くて優しい人でよかったよ。
1代目の王龍夫婦は印象に残ったけど、2代目3代目は1代目に比べるとあまりインパクトなかったなあ。龍の妻である阿蘭がたくましくて好印象だったせいかも。子供を1人で生んですぐまた畑で働いてたり、1人で子供を間引きして夫には「死産でした」と報告したり・・・なんだか、中国農民の力強さを感じる作品でした。

大地 (1) (新潮文庫)
新潮社
パール・バック

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