ブーリン家の姉妹

作:フィリッパ・グレゴリ(イギリス?)
訳:加藤洋子
集英社文庫

ブーリン家と言われてもピンと来ない日本人が多いでしょうが、アン・ブーリンといえば、イギリス史上もっとも有名な女王エリザベス1世の母。そしてヘンリー8世の2番目の妻。国王を前妻と離縁させた仰天の人物です。この時代、キリスト教徒の離婚はあり得なかったみたいなので、大事件です。本読んでても、離婚というより「あの結婚は無効だった」という形になってますしね。
ヘンリー8世は後継者欲しさから、次々に妻を変えて6度も結婚。邪魔者は処刑。離婚を認めないローマカトリックとは決裂して宗教改革を行い、イングランド国教を作り出していきます。6人の妻以外にも愛人が沢山いたようですが、アン・ブーリンの妹メアリーにまで手をだしていたとは知りませんでした。
ようするに、ヘンリー8世を姉妹でたらしこんだ話・・・ただし、一族の運命を背負っているので、二人とも必死です。最初、妹のメアリー(既婚なのに!)が王の愛人になるのですが、姉のアンは「私はあなたとは違うのよ」と正妃を目指して頑張ります。そんなアンに全面協力する妹のメアリー。個人の意志よりも、一族の利益を優先。姉妹間の葛藤や、そのときどきの権力に左右される宮廷社会が描かれていて、面白いけど恐ろしかったです。日本でも古来から、天皇に娘を輿入れさせて栄えた一族はあるわけですが、何故かあまりドロドロ感がないんですよね。源氏物語とかも多少は権力の話も出てきますが、基本は愛情の奪い合いですしね。姉妹が王をあまり愛してなくて、他に本命がいるのがきつかった。姉妹の兄は禁断の愛で身を滅ぼしていて、こっちの方が腐女子的には詳しく知りたかったけど、それじゃ混乱しちゃうか。
作中では、アン・ブーリンの男子を産まなきゃいけないプレッシャーがすさまじく、鬼気迫る感じで、最後は兄も巻き込んでます。別に男子じゃなくても、女子でもいいじゃん。女王とか女帝もありじゃん。結局この後、メアリー女王やらエリザベス女王やらが現れてるわけだしさ。もっとその後は、テューダー王朝自体が途絶えてるわけだし・・などと本末転倒なことを思ってしまいました。
私が現在ドハマリしている漫画「薔薇王の葬列(薔薇戦争の時代)」とBL小説「フレブラ(エリザベス1世の時代)」の間をつないでくれる話なんですが、ちょっとドロドロすぎでした。著者は、ヘンリー8世の他の妻たちの話も続編で書いているので(集英社から)、そちらも読むと更にドロドロでいい感じに疲れます。

ブーリン家の姉妹〈上〉 (集英社文庫)
集英社
フィリッパ グレゴリー

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