アキレウスの歌

作:マデリン・ミラー(アメリカ)
訳:川副 智子
早川書房
以下、あらすじも書いております。ややBL?

先日からこのブログで、アキレウスxパトロクロスの本が無い無い無い~と叫んでいたら、友人から紹介された本。文庫じゃないので高価でしたが、読んで良かった!教えてくれてありがとう、Mちゃん!
この私の喜びようから察せられるとおり、作中の二人はむにゃむにゃな仲ですが、そこまで危ないシーンはございませんでした。行きすぎた友情+朝チュン気味なので、濃ゆいシーンを希望してるお姉様方には物たりないかも・・・
お話はパトロクロスが主人公で、彼の語りで少年期から最期までが書かれています。
やっと、私の思い描いたタイプのアキレウスがいましたよ!筋肉ムキムキじゃなくて、女装しても違和感がない、半神で金髪碧眼の美青年!そしてどこまでも真っ直ぐなため、傷つきやすく繊細。
パトロクロスの方は、見た目が貧相で取り柄もない表現で、「え~、そんなキャラ設定?」とへこんだのですが、よ~く考えてみたら、これはパトロクロスが語り手なのです。作中で彼を褒めるのは、自分を褒めることになっちゃいます。彼は内気な少年として描かれており、自分を高く評価するわけがないのでした。その分、アキレウスにうっとりしちゃってるパトロクロスが、輝かしい彼の姿を最大限に美化して語ってくれてます。
パトロクロスはいちおう王子なのですが、とある事情で国外追放され、アキレウス王子がいる王宮へやってきます。意気投合した二人は、ケンタウロスのケイロン指導のもと山にこもって修業(ケイロンはヘラクレスも指導したことがある優秀な先生なのだ)。
その後、トロイア戦争に参加したくないアキレウスは、母である女神テティスの勧めで、スキュロス島の王宮に女装し雲隠れしちゃっていたのですが、ひと目で女装した自分を探し出したパトロクロスに喜び、飛びついて抱きつき「わたしの夫です!迎えに来てくれたので帰ります!」と言い放っております。なんと公衆の面前で伴侶だと大胆宣言。しかしその直後、王の娘デイダメイアがアキレウスの子を宿しているのが判り、これが原因で彼を失うのではないかと意気消沈するアキレウス・・・彼女と契った理由は、そうしなければパトロクロスに会えないと母親テティスに騙されたからで、アキレウス本人は誰も裏切ったつもりはないのでした。人を疑わない単純な純真さと、恋に盲目なアキレウスが、よくわかるヒトコマでした。なにも考えてない・・というか、自分の誇りとパトロクロス以外はどうでも良いみたいです。
妻デイダメイアに続き、愛妾ブリセイスの件はどうするのかな~と思ったら、そうきたか!て感じでした。ブリセイス、めちゃいい子でした。二人にとって家族のような存在を保ちつつ、ブリセイスはパトロクロスに片思い。あまりにもパトロクロスのことをダメ人間としている表現が多かったなか、ブリセイスが彼を本気で愛し褒め称えてくれいたのが嬉しかったですなあ。テティスもデイダメイアも、パトロクロスのことをクソミソに罵ってくれてましたからね・・・
最後は、イリアスに書かれているとおり。パトロクロスが大事だけど、自分の誇りがもっと大事だったようで、このためにアキレウスは彼を失ってしまいます。パトロクロス死んだら、語り手がいなくなるじゃん・・と思ってたのですが、死後は霊魂となって語ってくれています。
女神テティスが、最後には二人の仲を認めるような行動をしてくれて、ちょっとジーンときました。ずっと意地悪な姑みたいだったんですが、そもそも彼女は女神なので、夫のペレウス王やパトロクロスも含め人間はすべて嫌い。そう考えたら、最大限譲歩した行動ではないかと(死後だけど
あとがきでミラー女史は、これを書きあげるのに10年かかったと述べております。たしかに、いろんな逸話がバラバラに語られているのを矛盾なくまとめないといけないし、大変だったのではないかと。世に出すとき、超怖かったんじゃないかなあ。帯を見る限り、イギリスで「オレンジ賞」とやらを受賞しており、絶賛されているようなので、よかったです。
表紙がですね、読んだ後ならば、文中のとあるシーンだとわかるんです。海岸で竪琴をひくアキレウスと、それを見守るパトロクロス。んも~~、可愛いじゃないですかでもね、読む前には何なのかわからないんですよ。これ、ハヤカワ書房さん、考えてくれないと!この表紙は個人的には大好きですが、本を手に取ってもらうためには、わかりにくいでしょ。販促という点ではダメなんじゃないかと!もっと沢山の人たちに読んでほしいですから!でも、レジに持っていくぶんには普通な表紙が有難いんですよね。悩むなあ・・

アキレウスの歌
早川書房
2014-05-22
マデリン ミラー

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